植田式 健康相談

1.ファスティング

「ファスティング(fasting)」は、英語のfast(断食する ・絶食する・精進する)という動詞の名詞形で、直訳すると『断食』『絶食』となります。古来より世界各地の宗教と関わり深い断食は、水のみを摂取し、あるいは水すらも摂らずに食を断つという「行」として現在も行われています。

食という本能を意思により超越するという精神修養の一環として捉えられていますが、現在、断食がもたらす私たち現代人への効用が着目されています。それが「心身へのリセット効果」です。

■ 食習慣改善の転換点となるファスティング

ファスティングで最大の意義と考えるのが「食習慣の改善」です。現代人は意図的に食事制限をしない限り、誕生以来間断なく何らかの食を摂取し続けます。そして、人間は一般的に一度食事をしてから排泄するまで30時間を要するとされています。

朝目覚めて、朝食を摂るとき、前々日の夜に食べたものがまだ体内に残っていることになるのです。前日の食事は丸々、体内で消化・分解・吸収の作業中であり、胃や腸といった消化器は、睡眠中も含めて全く休むことなく動き続けています。ファスティングは、十数年〜数十年にわたって続いてきたこのサイクルに一度区切りを入れる行為です。

食習慣をリセットすることは、それまでの人生と食における大転換点であるともいえます。サイクルをストップさせる実施期間中に、「これまでの食」と「これからの食」に向き合っていただく──これは食のサイクルだけではなく、人生、生き方を見直すきっかけでもあります。食習慣改善の転換点となることが、通常の食を断つという行為以上に大きな意義であると位置付けています。

「断食ダイエット」という言葉があるように、一般的にファスティングは痩身方法と捉えられています。

通常の食を数日断つことで減量作用があるのは確かです。しかし体重が減ったり、からだのシルエットがスリムになる理由は食事を制限したからという単純なものではありません。からだの機能の変化が大きく関与しており、その機能変化を理解せずに食事制限を行うと、逆に痩せにくい体質になったり、大きくリバウンドすることとなります。ダイエット効果は、からだの機能変化に付随するものです。

よくある質問で「痩せている人がファスティングを行ったらもっと痩せてしまうの?」というものがあります。一時的に体重が減るケースはありますが、例えば太れない体質の方がファスティングを通じて代謝のサイクルが正しくなり、適正体重に近づくという増量のケースもあります。つまり、ファスティングは「からだのバランスを整える」ことが目的であり、ダイエットが主目的ではありません。

■ ファスティングで得られるもの

代謝を絞り込むという機能変換は、からだのエネルギー不足が原因です。ダイエットにおいて「停滞期」が起こる理由は、このエネルギー不足によるものです。からだビューティ研究所では、飢餓状態でダイナミックに変化するからだの機能を発動させながら、代謝を絞り込ませないように導きます。

これにより、ファスティングを通じ、心身や感覚の変化を体感することができます。ファスティングを経験した多くの方がまず経験するのが「味覚が変わった」「食に対する欲求が変わった」というものです。そして「からだが求める食」「本能が求める食」について考えるようになります。そのほかにもさまざまな、変化を得られるようになります。

07-JV010_72A

☑ 消化器官のリフレッシュ
☑ 腸内環境のリセット
☑ 自律神経バランスのリセット
☑ 心身の安定
☑ デトックスの活発化
☑ 代謝のリスタート
☑ 体重減とスリムアップ

■ ファスティングをしましょう!

◯ 1日ファスティング
一般的に「プチ断食」「週末ファスティング」とも呼ばれる1日のみのファスティングです。丸一日通常食を抜くだけで変化を感じる方もいますが、「自分にもできる」という成功体験の意味があります。自信のない方はまず、1日ファスティングにトライしてみましょう。1度で終わらせず定期的に行うと次のステップにつながります。

◯ 3日間ファスティング
週末プラス祝日などを利用した3日間のファスティングは、体感があり非常に有意義です。多くの体験者が語るのは、「1日目は食欲が、2日目は体調が辛かったけれども、3日目になると目覚めも体調も爽快でびっくりしました」ということ。代謝の変化、脂肪の分解など体の機能が切り替わって、「ファスティングとはどういうものか」という体感ができます。3日間ファスティングからは準備食、回復食が必須となりますので、自己流は避けましょう。

◯ 7日間ファスティング
ダイナミックな心身の変化を感じることができる本格的なファスティングです。通常、1日1日の体調変化、思考の変化、また体重と体型の変化を感じられます。準備食、回復食をしっかり行うことが大切で、その後の結果に関わってきますので、自己流は厳禁です。

■ ファスティング後の注意点

◯ 回復食の重要性 その1 消化不良
実施期間は胃腸が完全に『スリープモード(休息モード)』となっています。
回復期に脂肪分の多い食事や、大量の食事をすると、胃腸が対応できず消化不良を引き起こす危険性があります。
回復食は固形物を含まない流動食から始めて、時間をかけて通常食へ移行しましょう。

◯ 回復食の重要性 その2 リバウンド
ファスティング中の体は、いわゆる「飢餓状態」となっています。
満腹ホルモンが出にくい状態ですので、回復食をしっかり行ったとしても、その後の食事で暴飲暴食すると、栄養を効率良く脂肪に変換して蓄積するようからだが働いてしまします。いわゆるリバウンドしやすい状態となりますので、食事の内容、量を意識するようにしてください。

●薬膳はあとで入れます

植田式 健康相談

PAGE TOP